あしたのきみに

2018.5生まれの高度難聴疑惑女子「桃」のこと。

桃への声掛け

全く聞こえないわけじゃないから。

検査の結果からしても、桃の反応からしても、桃の耳は少しだけだとしても聞こえている。
だったら、桃に話しかけよう。

わたしは、桃の耳元にささやきよりもほんの少し大きい声で
「桃~、聞こえる~?かぁちゃんだよ。かぁちゃんの声だよ」

 

1日に何回も桃に話しかけた。

生後2ヶ月を過ぎて目が見えるようになってきた桃は、わたしの顔を見ると笑うようになっていた。
そして、話しかけた時も、嬉しそうにほほえみながら喃語を聞かせてくれた。

 そう。桃は喃語を発している。
本当に聞こえないとなると、このかわいい声もいつか消えてしまうかもしれない。
「難聴の場合、喃語が消失してしまう」とどこかのサイトで読んだ。
わたしは桃に話しかけ、喃語を話してくれる桃の動画を撮った。

だって、できるようになったものが、一時とはいえできなくなってしまうのは、やっぱり悲しいもん…。

 

「こんなに喃語が出るんだから、やっぱり聞こえてるんじゃないかな」という思いと、「必ず、可能な限り早いうちに自分の声をきちんと聞かせてあげる!1日だって無駄にせず、最短で桃の補聴器や人工内耳、療育の話を進める!」という思いが交錯していました。

 

兄の配慮?

桃の耳が聞こえないと知った年長のこども2♂が、桃の耳の近くで、大きな声でこども向け番組の歌を聞かせていた。

桃はもぞもぞ動いてたっけ。

 

こども2♂の歌い方がおかしくて涙が出るほど大笑いしてしまった、

けど、

涙が出た理由はそれだけじゃなかったなあ…

 

うれしかったんだ。
こども2♂が、桃にそうしてくれたこと。

桃に配慮してくれたこと。