あしたのきみに

2018.5生まれの高度難聴疑惑女子「桃」のこと。

ABR検査の結果は

納得のいくような、いかないような説明

8月22日朝。
市民病院の耳鼻咽喉科に行きました。

先日のABR検査の結果が出る日です。

 

診察室に呼ばれると、例の感じの悪い女医。

女医の前のPCには先日の桃のABR検査の結果が表示されていた。

 

…あれ…
桃の耳、聞こえてない…?

 「高度難聴に値します」

きちんと説明してもらえないかもしれない、と(なぜか)疑心暗鬼になっていたわたしは、ネットでABRの結果の見方をさんざん勉強していた。

だから、桃の検査結果は「正常」ではないことがすぐにわかった。

 

「今回の結果では、両耳あんまり聞こえてないですね…」

先生は、桃がけっこう動いてしまってなかなか検査がうまくいかなかったことを話していた。

先日の技師さんが言っていた通りだ。

 

でも、それ以上あまりいろいろなことを話そうとせず、大学病院への紹介状の話へと進めようとしている姿を見て、なんだか腹立たしくなった。

必要な説明、なんにもしてくれないじゃんか。

 

「ここではもうこれ以上できません」

「検査を始める前に、耳の中はチェックしていただけたんでしょうか?」
「はい、チェックしたと聞いています。赤ちゃんなのでしっかりは見えませんでしたが、中耳炎などになっている所見はなかったそうです」

 

「耳垢などが原因ってことはあり得ますか?」
「耳垢が検査結果を左右することはありますが、仮に耳垢があったとしてもここまで悪い結果が出ることはないと思います」

 

「簡易であると理解したうえで、産婦人科で新生児のスクリーニング検査するときに使うようなOAEなどの簡易検査を今していただくことはできますか?」
「ここではもうこれ以上できません。大学病院を紹介します」

 

「今回の結果は、4段階(重度/高度/中等度/軽度)のうち、どれくらいの難聴に該当するんでしょうか」
「うーん…高度ですかねえ…」

 

女医は話をするときも、こちらを見ようとしない。
その態度にムッときた。

 

検査結果は認めざるを得ない。それはよくわかってる。
検査技師さんもきちんと検査してくれたと思う。
だけど、この女医の積極的に話をしない・質問しないと答えない姿勢、歯切れの悪い話し方、横柄な態度、もうすべてが嫌だった。

 

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こどもたちの存在

気持ちの整理がつかない。

難聴とはわかっていたけれど、予想を上回る聞こえなさ。

男勝りなわたしだけれど、自分のこどものことだもん、落ち込まないわけがない。

 

でも、へこんでいる場合ではない。

病院での用が済んだら、当然家に帰らなければならない。

車に5人のこどもたちを乗せて帰路についた。

わたしが押し黙っていると、こどもたちが心配する。だから、つとめて明るく振る舞った。

歌を歌ったり、ギャグを言ったりして。

 

帰宅してお昼ご飯を食べながら、こどもたちに打ち明けた。

「桃ね、耳がちゃんと聞こえてないんだって。」

こどもたちはお昼ご飯を食べる手を止めずに、ふーんと答えた。

 

「だから、今まで『桃が起きちゃうからうるさくしないで!』って怒ってゴメンね」

先に謝った。

すると、さすが物事を理解できる小3のこども1♀が

「まったくも~」

と返事した。

 

こどもたちに打ち明けたら、気持ちが少しだけラクになった気がした。

そうか、自分だけにとどめようとするから苦しいんだね。

こうやって共有すればいいんだね。

 

その後も、年長のこども2♂が
かあちゃん、つまさきのうた(つま先の歌(?)←自作らしい)歌ってあげようか?」
って言ってきた。

桃と湯船に浸かっていたら、桃がウンチした。

 

…もう、なんなの~!?

なによ、つま先の歌って…
ウチの子たち5人の中で、湯船でウンチしたのは桃だけだよ…

 

なんだか、笑ってしまった。
桃のことを思えば胸が締め付けられるほど苦しい。
でも、勝手な解釈をすれば、こどもたちはわたしのことを笑わそうとしている。

 

へこんでなんかいられない。
不便な思いをするのはわたしじゃない。当事者は桃だ。
桃が桃らしく生きるためにできることを、わたしはサポートするまでだ。

 

こども2♂の作った「つま先の歌」を口ずさみつつ桃がウンチをしたお風呂を掃除しながら、そう思った。